2015年11月25日水曜日

[日本・カナダゲームサミット] VR時代のゲーム開発 - パネルディスカッションノート

2015年11月24日、在日カナダ大使館にて開催された「第三回 日本・カナダ ゲームサミット」に今年も参加してきました。パネルディスカッションでVRの話が聞けたのでその要所要所の簡易メモです。

パネルディスカッションテーマ

「VR時代のゲーム開発 - どのような環境と対策で挑むべきか」

スピーカー

○特別ゲスト 株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント  ワールドワイド・スタジオ プレジデント 吉田修平様
○司会進行 ゲームジャーナリスト 新清士様
○パネル(企業名アルファベット順):
 Audiokinetic, 社長兼最高経営責任者, マーティンH.クラインィ氏
 株式会社Enzyme 代表取締役 池田 栄一氏
 Epic Games Japan , Support Technical Artist, Rob Gray 氏
 Side Effects Software, シニアマネージャ 多喜 健一氏



VRは今までのゲームと何が違うのか
VRは新しい技術であり新しい歴史である。
プレイヤーがコンピューターを覗き込むというプレイスタイルはずっと変わらなかった
プレイヤーとゲームの間に距離はあるがVRがあって初めてプレイヤーをゲームの中に入れることができるようになった。

昨年PSVR発表でだんだんVR関係の話が盛り上がり始めたがその要因は
Oculusが開発キットを出してから話の展開が早くなった。世界中で手を動かして作り始めるチームも増えた。ゲーム業界にとっては久々の動き、大きな変化だ。

VRの変化への対応
カメラ2つでやることへの対応が大変。デバイスの種類も高機能のものからiPhoneなど幅広いところに対応していかなくてはいけないのが難しいところ。

テストの難しさ
VRのテスト市場はくるので準備は必要。まずはどのようなデバイスを準備しなくてはいけないか、どのようなテストケースを作るかのリサーチ。
丸一日テストしていたような人とか酔いの問題でそれができなくなる&テスターが酔いに慣れてしまうというのが難しさ。

VRコンテンツの課題
酔いの問題が大きな問題。これを仕事として課さなくてはいけない。
またテスターが慣れてきちゃうのも課題。慣れてくると酔わなくなる。
酔い難くなるためのベストプラクティスやOculusなんかが出しているガイドラインもあるが、テストを繰り返していくしかない。が、テストを繰り返すとVR開発チームが酔いに慣れてしまう。
酔いやすさは人によって違う。PCの3Dのシューターとかも初めは酔ったが、テスターもプレイヤーも慣れた。
→酔いへの対応とともに、導入初期のユーザーへのコミュニケーションが大事になると思う。

ユーザーに受け入れられる普及の道筋
VRにはHTCやOculusなどのハイエンドPCやプレステを使ったものと、SUMSUNGとかがやっているモバイルベースの2通りがある。
モバイルの方が手軽に持ち運べ、体験を与えることができるという点で初めからダイレクトに幅広いユーザーに受け入れられ広まっていくためのとっかかりとして良い。
ハイエンドの方はそれが体験できるPCや機器を持っているようなゲームユーザーから広まっていくのでは。

PSVRの強み
PS4+PSVRで、特に技術的な詳細を知らなくても誰でもVRを体験できる。

VR開発で重視されること
VRのプロジェクトで重視しているのはイテレーション。VRのゲームは、何が面白いか分からないので、ゲームエンジンを用いてクイックに開発して試すことが最も重要。他のゲーム開発でも言えることだが、VRでは特に重視してる。一人のアイデアでも面白いゲームができたりする。

開発会社としてVRへの参入時期の適正時期は
開発社の経営ポリシーによる。いま欧米で盛り上がっているのは経営者と開発者が一致しているインディー系の会社が多い。欧米のVCはVR専門の小さな会社に注目し投資し始めている。

欧米と日本の盛り上がりの差は
VR以前に、PCやモバイルにおいてもそもそもインディー市場の盛り上がりが違う。大企業からチームで抜けて独立することがほとんどない文化の違い。

VRは10年後にゲーム産業にどのような影響を与えているか
ゲームをする上でメインのものになっているのでは。ただゲームが完全にVRになるのではなく従来のゲームもそのまま進化していく。
10年もたつとVRにおいてゲームは1部のアプリケーションにすぎない。
ゲームユーザーだけじゃなく一般ユーザーにコミュニケーションツールなどとして浸透している時代になるのでは。

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